週刊大麻ニュース |2月22日-2月28日

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2025年2月22日(土)から2025年2月28日(金)の期間に世界の大麻・CBD業界で起きた出来事をまとめた『週刊大麻ニュース』をお届けします。大麻に関する合法化、政治、ビジネスなどのテーマを中心に取り扱っております。

※日本国内の違法行為を推奨するものではありません。

目次

米国の合法大麻市場、2025年1月に売上高3,000億円超を記録

2025年1月の米国における合法大麻販売額が20億ドル(約3,000億円)を超えた可能性があります。米国では、州ごとに合法化の進捗状況や市場規模が大きく異なりますが、コロラド、ワシントン、カリフォルニア、イリノイなどの大都市圏を抱える州が販売総額を牽引しているとみられています。専門家の間では、業界のさらなる伸長に加え、消費者の購買行動が安定してきたことも大きな要因として挙げられています。

【参考記事】
U.S. Legal Marijuana Sales Top $2 Billion in January(themarijuanaherald)

カナダ大麻市場、2024年12月の大麻売上高が約425億円を記録

2024年12月のカナダにおける合法市場の大麻(嗜好用・医療用含む)の小売売上高が、4億2,500万カナダドル(日本円で約425億円)を超えたとのことです。前年同月比ではおよそ15%の伸びを示しており、年末商戦が大麻市場をさらに押し上げた形になりました。市場が成長することに対して専門家は「競合が増えることで消費者はより品質や価格が優れた商品を選べる」との見方を持っている方が多いです。

【参考記事】
Canadian Cannabis Sales Soared in December(New Cannabis Ventures)

トランプ大統領「違法薬物売人に死刑」再び主張

トランプ大統領が、違法薬物の売人に対する死刑適用の必要性を改めて唱えています。彼は、「この政策によって薬物の過剰摂取(オーバードーズ)による死亡を防げるため、非常に人道的な政策だ」と述べ、実行に向けた準備が整っていると強調しています。さらに、就任後には薬物の危険性を訴える大規模な広告キャンペーンを展開し、国内の薬物使用を半減させるとの目標も掲げています。今回は社会的に問題となっているドラッグについての規制の強化のため直接的な大麻に対する規制ではないと思われます。

【参考記事】
Trump Says He’s ‘Ready’ To Impose Death Penalty On People Who Sell Illicit Drugs, Calling Policy ‘Very Humane’ (Marijuana Moment)

ドイツ総選挙、政権交代により大麻政策に変化をもたらす可能性

2025年2月24日のMJBizDailyの報道によれば、ドイツにおける保守派「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)」のフリードリッヒ・メルツの選挙勝利が、ドイツ・EUの大麻政策に変化をもたらす可能性があります。ショルツ首相から政権交代し、メルツが次期首相になる見通しで、メルツ率いる政党は2024年4月に実施された大麻合法化に「薬物犯罪が増加するきっかけになった政策だ」と述べ一部批判的な姿勢を見せています。

【参考記事】
What will Germany’s election outcome mean for nation’s cannabis industry? (MJBizDaily)

ポルトガル、CBD化粧品の販売差し止めを命令

ポルトガルの医薬品・健康製品庁(Infarmed)は、CBD(カンナビジオール)を含む化粧品の即時市場撤去を命じました。これは、CBDが大麻の抽出物、チンキ、樹脂から得られているため、欧州の規制に適合しないと判断したためになります。対象となったブランドはSVR、Naturasor、Dermacolで、これらの企業は通知を受けています。EUの法律と国ごとの法律の複雑性が増しています。

【参考記事】
Portugal Orders Removal of CBD Cosmetics as Crackdown Continues (Business of Cannabis)

ナミビア「大麻禁止は憲法違反?」 最高裁の審理へ

現地メディアにて「ウィントフック高等裁判所の3人の判事が、ナミビアにおける大麻禁止の違憲性を判断するために、7月初旬に口頭弁論を行う予定」と報道されました。メキシコや南アフリカでは裁判所が大麻禁止に対して重要な判決を下したが、ナミビアでも同様の法的な働きかけが見られます。憲法と大麻についてはどの国でも議論が巻き起こっています。

【参考記事】
High Court to hear case on whether cannabis ban in Namibia is unconstitutional (The Namibian)

FDA、大麻由来のASD治療薬の承認申請を受理

米国のバイオテクノロジー企業Defloriaは、大麻由来の経口薬「AJA001」に関する第2相臨床試験を実施するため、米国食品医薬品局(FDA)から治験届(IND)の許可を取得したと発表しました。AJA001は自閉症スペクトラム障害(ASD)の治療を目的に開発されており、特に患者が抱えるいらだち(イラビリティ)症状への効果が期待されています。今回の認可によって、DefloriaはASDの症状緩和を狙う大麻由来製剤として、より大規模な臨床データの取得に踏み出す見通しです。

【参考記事】
DeFloria Receives Investigational New Drug Application Clearance from FDA for Phase 2 Clinical Trial of AJA001, an Oral Cannabinoid Drug Being Developed for the Treatment of Autism Spectrum Disorder (ASD)

大麻メディア「HighTimes」の知的財産が売りに出される

大麻ブランド「High Times」の知的財産が再び市場に出されました。このIP売却で、High Timesの資産は市場に3度出たこととなります。現在の運営状況は不透明で、従業員の離職が続き、公式ウェブサイトは1週間以上ダウンしたままになっています。Instagramの最後の投稿は1月13日、最新の雑誌発行は2024年9月とされています。大手大麻メディアの運営が止まり、権利問題や運営状況の悪化が目立ちます。

【参考記事】
Intellectual property of cannabis brand High Times is for sale again (MJBizdaily)


編集後記

週刊大麻ニュース2025年2月22日から2月28日は以上になります。

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大麻・CBDのビジネス、経済メディア「CANNABIS INSIGHT」編集長:たかおみ

※本記事は、日本国内ならびに国外での違法行為を助長する意図はありません。
この記事の内容は、あくまで読者の皆様のリサーチや学習の一環として提供しています。
法律に関する最新情報は各国の公式サイトをご確認ください。

編集者

CANNABIS INSIGHT代表/編集長
世界の大麻・CBDのビジネスや経済情報を調べています。

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