2025年1月18日(土)から2025年1月24日(金)の期間に世界の大麻・CBD業界で起きた出来事をまとめた『週刊大麻ニュース』をお届けします。大麻に関する合法化、政治、ビジネスなどのテーマを中心に取り扱っております。
※日本国内の違法行為を推奨するものではありません。
1月18日(土)米国大麻業界、2大団体が統合しロビイング活動を強化
1月19日(日)ヨーロッパ、サイケデリック療法促進のための署名活動を開始
1月20日(月)中米ベリーズ、大麻犯罪記録の抹消が可能に
1月21日(火)米連邦裁判所、バージニア州における精神活性化製品の禁止を支持
1月22日(水)ウクライナ、ヘンプ加工施設が新たに設立
1月23日(木)トランプ大統領、違法薬物取引サイト「シルクロード」創業者を恩赦
1月23日(木)セントルシア、大麻取締法に関する草案が提出される
1月24日(金)カナダ、11月の大麻売上高が増加
米国大麻業界、2大団体が統合しロビイング活動を強化

全米大麻円卓会議(NCR)と米大麻評議会(USCC)が統合し、新たに「US Cannabis Roundtable」を設立することが発表されました。この統合により、米国の大麻業界を代表する唯一の政策提言機関が誕生しました。同団体は、大麻のスケジュールIIIへの再分類や、州ごとに政策を決定できる法整備の推進、大麻事業者が安全に銀行サービスを利用できる環境の整備を目指しています。また、米国企業がNASDAQやNYSEに上場できるよう、公平な市場の構築を優先課題として掲げています。
ヨーロッパ、サイケデリック療法促進のための署名活動を開始

ヨーロッパのメンタルヘルス問題に対応するため、サイケデリック療法の規制を求める市民発案「PsychedeliCare」の署名活動が開始されました。この提案は、マジックマッシュルーム(サイロシビン)やイボガなどの伝統的医薬品を公的医療システムに統合し、安全で合法的なアクセスを実現することを目指しています。ヨーロッパでは精神疾患を抱える人々が増加しており、既存の治療法が十分な効果を発揮しないケースが多い中、治療抵抗性うつ病やPTSD、依存症などに効果が期待されるサイケデリック療法への関心が高まっています。署名活動では、2026年1月13日までに100万件の署名を集め、欧州委員会に規制の必要性を提案することを目標としています。
【参考記事】
One Million Signatures to Transform Mental Health in Europe (ICEERS)
中米ベリーズ、大麻犯罪記録の抹消が可能に

中央アメリカのユカタン半島の付け根部分に位置する小国ベリーズで、人間開発・家族・先住民問題省のコミュニティ更生部門は、2024年犯罪記録法(犯罪者更生)の新しい規定に基づき、特定の初犯に対する記録の抹消が申請可能になったことを発表しました。この記録抹消プログラムは初犯者のみを対象としています。ただし、ベリーズでは嗜好目的での大麻使用は依然として違法となっています。
【参考記事】
Belize Offers Automatic Expungements For First-Time Cannabis Offenders (ICBC)
米連邦裁判所、バージニア州における精神活性化製品の禁止を支持

アメリカ連邦裁判所は、バージニア州における「精神活性化作用を持つヘンプ製品」の販売禁止措置を支持する判決を下しました。この禁止措置は、2023年に州が導入した新規制の一環で、精神活性化作用を持つヘンプ由来製品の販売を厳格に制限する内容となっています。業界団体や小売業者は、この措置がヘンプ製品の商業的権利を侵害しているとして訴訟を起こしていました。しかし、裁判所は州の規制が消費者保護の観点で合理的であり、連邦法と矛盾しないとの判断を示しました。
【参考記事】
Federal court upholds intoxicating hemp ban in Virginia(MjBizDaily)
ウクライナ、ヘンプ加工施設が新たに設立

ウクライナはヘンプ産業の拡大に向け、新たなヘンプ加工施設の設立計画を進めています。この施設は、ヘンプの繊維や種子を加工する最新技術を備え、国内外へのヘンプ製品供給の中核を担う予定です。国内の農地と資源を活用し、ヘンプを輸出産業として位置づけることで、経済成長を図る方針です。ウクライナでは医療用大麻が既に合法化されていますが、ヘンプ産業もまた大きな変革の時期を迎えているといえます。
【参考記事】
Hemp Processing Plant In Ukraine Nears Completion(hempgazette)
トランプ大統領、違法薬物取引サイト「シルクロード」創業者を恩赦

トランプ大統領は、ダークウェブ上で違法薬物取引サイト「シルクロード」を運営していたRoss Ulbricht氏に恩赦を与えました。Ross Ulbricht氏は、匿名取引を可能にするプラットフォーム「Silk Road」を2011年に立ち上げ、暗号通貨ビットコインを活用した違法薬物取引市場として急成長させていましたが、2013年に逮捕され、マネーロンダリング、ハッキング、薬物取引に関与した罪で有罪判決を受け、終身刑を宣告されました。トランプ大統領が今回の恩赦を与えた背景には、暗号通貨業界やリバタリアン有権者への支持を狙った意図があると見られています。
【参考記事】
Who Is Ross Ulbricht, the ‘Silk Road’ Founder Pardoned by Trump?(Bloomberg)
セントルシア、大麻取締法に関する草案が提出される

カリブ海東部の西インド諸島、バルバドスの北西に位置する島国「セントルシア」で、大麻および産業用大麻法案2025の草案が提出されました。この法案には、「医療用大麻の販売と薬局免許の規定」、「合成カンナビノイドの輸入、輸出、供給、所持、使用の禁止」、「大麻および産業用大麻に対する賦課金の規定」などが含まれています。法案に対するパブリックコメントは、2025年2月7日まで募集されており、カリブ海の島国でも大麻規制に変化が訪れようとしています。
【参考記事】
Saint Lucia Cannabis Legislation Moving Ahead(hempgazette)
カナダ、11月の大麻売上高が増加

カナダの大麻売上高が2024年11月に増加したことが報告されました。月次データによると、全国の大麻販売総額は前月比でわずかに増加し、消費者需要の堅調さが示されています。特に、カナダのオンタリオ州やブリティッシュコロンビア州といった主要市場での販売が全体を押し上げたとされています。カナダの大麻市場は、法規制の整備が進む中で成長を続けており、店舗数の拡大やオンライン販売の普及が販売増加を支える要因となっています。
【参考記事】
Canadian Cannabis Sales Edged Higher in November(New Cannabis Ventures)
週刊大麻ニュース2025年1月18日から1月24日は以上になります。
noteで調べ事をしてて、たまたま見つけた「大麻」に関する記事を読んでみるとCANNABIS INSIGHTの記事が引用されていた。最近、AI時代の「情報取得」について考えていてしっくりくる答えが見つからず模索していた中での出来事だったので嬉しさがとてつもなかった。自分のメディアで書いたことが誰かに読まれて、それをベースにまた知識が共有されることにインターネットの世界的な感動があってよかった。AI時代にどのようなモチベーションで記事を書くかは考えなければならないが、「誰か」の「些細な一瞬や気づき」に影響を与えるならまだまだ書き続ければならないし、CANNABIS INSIGHTだから信用できるといったメディアにしていきたい。
大麻・CBDのビジネス、経済メディア「CANNABIS INSIGHT」編集長:たかおみ