週刊大麻ニュース |12月21日-12月27日

2024年12月21日(土)から2024年12月27日(金)の期間に世界の大麻・CBD業界で起きた出来事をまとめた『週刊大麻ニュース』をお届けします。大麻に関する合法化、政治、ビジネスなどのテーマを中心に取り扱っております。

※日本国内の違法行為を推奨するものではありません。


12月21日(土)アフリカ初、大麻の高等教育コースが認定される
12月22日(日)2025年の欧州大麻産業はどうなるのか?
12月23日(月)Meta社、Instagramで大麻事業者のアカウント停止
12月24日(火)アルコールの代替品になるか?米国のTHC飲料について
12月25日(水)過去10年間で大麻に関する研究が増加、35,000以上の論文が発表
12月26日(木)ドイツ、嗜好用大麻研究が進展する可能性のある規制を発行
12月26日(木)モロッコ、大麻産業が成長中
12月27日(金)MjBiz、2025年の大麻業界の見通しは?

【目次】

目次

アフリカ初、大麻の高等教育コースが認定される

南アフリカは、アフリカで初めて高等教育における大麻教育プログラムを認定しました。「Cheeba Cannabis & Hemp Academy」が提供するカリキュラムは、東ケープ州ムタタで展開される予定です。この地域は経済的に困窮し、失業率が高いとされており、プログラムを通じて大麻関連の雇用創出や持続可能な開発への貢献が期待されています。2025年初頭に開講予定のこのプログラムでは、医療用大麻、栽培技術、事業運営など、大麻産業全体で必要とされるスキルを網羅した内容が提供されます。

【参考記事】
First Cannabis Higher Education Course Receives Accreditation In Africa (ICBC)

2025年の欧州大麻産業はどうなるのか?

ヨーロッパ地域の大麻メディア「Business of Cannabis」は、2025年のヨーロッパ地域における大麻産業の見通しを発表しました。同地域では、医療用大麻市場の拡大と規制改革の進展が予測されており、遠隔医療の普及や大麻製品の輸入基準の明確化、輸入量の増加により、安定した供給が期待されています。企業間の競争が激化する一方で、特にドイツを中心に市場のさらなる拡大が見込まれています。詳細な考察は、Part1およびPart2の二つの記事にまとめられていますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

【参考記事】
What’s in Store for the European Cannabis Industry in 2025? (Part 1) (Business of Cannabis)

What’s in Store for the European Cannabis Industry in 2025? (Part 2) (Business of Cannabis)

Meta社、Instagramで大麻事業者のアカウント停止

大麻関連企業は、Instagramの「アカウント停止」問題に直面しています。多くの州で大麻広告が制限されているため、ソーシャルメディアはマーケティング活動において重要な役割を果たしています。Meta社は最近、大麻関連コンテンツの可視性を18歳以上に制限するなど規制を強化しており、規約に違反する投稿やアカウントは停止の対象となっています。規約改定後、数千ものアカウントが停止される事態が発生しており、SNS運用に依存している大麻・CBD事業者にとって、これらの規制は大きなリスクとなっています。

【参考記事】
Cannabis operators report Instagram page ‘shadow bans’ and closures (MJBizDaily)

アルコールの代替品になるか?米国のTHC飲料について

THCを含む大麻入り飲料が米国で急成長し、新たな市場トレンドとして注目を集めています。これらの飲料はアルコールの代替品として人気が高まり、特に健康志向の消費者や若年層をターゲットにした商品が増えています。アメリカ各州でのTHCドリンクに関する規制や取り組みが進む中、課題として「大麻特有の味を消すこと」「効果が現れるまでの時間」「過度なリラックス効果」などが挙げられています。大麻のライトユーザーにとっては「ドリンク」という形態が新たなアプローチとして期待されています。

【参考記事】
THC drinks gain popularity in the US – but can they fully replace alcohol? (The Guardian)

過去10年間で大麻に関する研究が増加、35,000以上の論文が発表

NORMLの分析によると、過去10年間で35,000件以上の大麻に関する研究論文が発表されており、2024年も年間4,000件以上と高い水準が続いています。このうち70%以上が過去10年間、90%以上が2002年以降に発表されており、研究が急増していることが明らかです。直近の一年間では、自閉症やてんかん患者のQOL改善、CBGに関する研究が注目されています。

【参考記事】
Researchers Published More Than 35,000 Studies On Marijuana Over The Past Decade, NORML Analysis Shows (Marijuana Moment)

ドイツ、嗜好用大麻研究が進展する可能性のある規制を発行

ドイツ連邦食糧農業省(BMEL)は、嗜好用大麻および産業用ヘンプに関する研究プロジェクトを管理する新たな規制を公布しました。この規制により、成人向け嗜好用大麻の合法的供給に関する科学的試験プロジェクトの申請と実施が可能となり、大学や研究機関、企業が参加できるようになります。この取り組みは、大麻に関する研究を加速させるだけでなく、闇市場の抑制、健康予防の強化、議論の客観化を目的としています。

【参考記事】
BMEL erlässt Verordnung zu Cannabis-Forschungsprojekten (Bundesministerium für Ernährung und Landwirtschaft)

モロッコ、大麻産業が成長中

2024年、モロッコの大麻市場は著しい成長を遂げました。合法的な大麻の生産量は約4,000トンに達し、ライセンス数は前年比約8倍の約3,000件に増加、栽培面積も2,169ヘクタールを記録しました。モロッコ国立大麻活動規制庁(ANRCA)は、大麻種子の使用に関するガイドラインを発表し、小規模農家への財政支援を含むさまざまな施策を実施。これにより、モロッコの大麻市場が確立された年となりました。2025年には、グローバル市場へのさらなる拡大を目指し、大麻産業を通じて国内の経済成長を推進する計画が進行中です。

【参考記事】
Morocco’s Legal Cannabis Sector Produced 4,082 Tons in 2024 (Morocco World News)

MjBiz、2025年の大麻業界の見通しは?

老舗大麻メディア「MjBiz」は、2025年に向けた大麻業界の経済見通しを発表しました。2025年は規制の緩和や市場の成熟により収益拡大が期待される一方、競争の激化による価格競争が懸念されています。特に、大麻税制改革が重要な課題として挙げられており、専門家は税額の引き下げを求める声を強めています。税制の負担が軽減されるかどうかが、業界全体の成長に大きく影響すると見られています。北米の大麻産業が今後どのような方向に進むのか、2025年の動向に注目が集まります。

【参考記事】
What is the economic outlook for marijuana companies in 2025?(MjBizDaily)


週刊大麻ニュース2024年12月21日から2024年12月27日は以上になります。

2024年ラストの週刊大麻ニュースになります。読者の皆様、今年も「週刊大麻ニュース」を読んでくださりありがとうございました。今年はドイツの合法化をはじめ、日本国内のパブコメや法改正など”何だかんだ”様々なイベントが起きた一年となりました。CBD業界の構図が変わる変革期かと思いますが、 CANNABISINSIGHTは変わらずニュース記事を書いていきたいと思います。

来年はヨーロッパに大麻・CBDのことを調査しにいきたい…特にチェコ…

「世界って広いな」とそう思わせてくれる大麻・CBD業界に感謝を込めて2024年を締めくくりたいと思います!来年も引き続きよろしくお願いいたします。

良い年を。

大麻・CBDのビジネス、経済メディア「CANNABIS INSIGHT」編集長:たかおみ

編集者

CANNABIS INSIGHT代表/編集長
世界の大麻・CBDのビジネスや経済情報を調べています。

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