2024年12月7日(土)から2024年12月13日(金)の期間に世界の大麻・CBD業界で起きた出来事をまとめた『週刊大麻ニュース』をお届けします。大麻に関する合法化、政治、ビジネスなどのテーマを中心に取り扱っております。
※日本国内の違法行為を推奨するものではありません。
12月7日(土)MJBizCon2024で女性リーダーたちの成果を表彰
12月8日(日)バイデン政権、大麻関連犯罪の恩赦拡大に注力
12月9日(月)アメリカ初の州公認の安全な薬物消費施設を開設
12月10日(火)テキサス州でTHCを禁止する法案が提案される
12月11日(水)デンマーク、医療用大麻制度の本格導入を検討
12月12日(木)大麻「使用罪」施行、大麻取締法と麻薬及び向精神薬取締法の一部改正
12月12日(木)『2024年 大麻・CBDニュース総選挙』結果発表
12月13日(金)英有名歌手、大麻合法化は「史上最大の過ち」と語る
【目次】
MJBizCon2024で女性リーダーたちの成果を表彰

2024年12月3日からアメリカ・ラスベガスで開催された世界最大級の大麻ビジネスカンファレンス「MJBizCon2024」で、「Empowering Women in Cannabis」という特別イベントが実施され、業界で活躍する女性リーダーたちの成果が称えられました。この取り組みは、大麻業界における男女格差問題を解消し、女性のエンパワーメントを推進するための重要な一歩として注目されています。「Empowering Women in Cannabis」の開催は、大麻業界が男女平等を推進する社会的責任を果たすための重要な取り組みです。世界最大級の大麻カンファレンスであるMJBizConがこのような課題に注目することで、大麻業界が社会全体に与える影響力をさらに拡大させることが期待されます。
【参考記事】
Women ascend in cannabis as industry honors female leaders at MJBizCon (MJBizDaily)
バイデン政権、大麻関連犯罪の恩赦拡大に注力

バイデン大統領が任期終了を目前に控え、大麻関連犯罪者への恩赦拡大に向けた取り組みを加速させています。ホワイトハウスは「数週間以内」に具体的な措置を発表する予定であるとコメントしました。バイデン氏は2025年1月に退任し、トランプ氏に政権を引き継ぐ予定であることから、退任前に大麻政策における成果を強調したい意向が見えます。
一方、活動家や政策擁護団体からは、恩赦にとどまらず、より広範な法改正や規制緩和を求める声が上がっています。現在の動きは一歩前進と評価されていますが、連邦レベルでの包括的な改革が求められるとの意見も根強く、次の政権の対応にも注目が集まります。
アメリカ初の州公認の安全な薬物消費施設を開設

アメリカで初めて、州公認の「薬物を安全に消費するための施設(Safe Drug Consumption Site)」が、ロードアイランド州に開設されます。この施設は、薬物使用者が医療従事者の監督のもとで安全に薬物を使用できる場所を提供することで、過剰摂取による死亡を減らし、依存症治療などの社会サービスへとつなげることを目的としています。ニューヨークにも同様な施設が市の承認を得て運営されています。連邦政府内では意見が分かれており、司法省は反対の立場をとっています。初期調査では、近隣住民の75%が施設の開設を支持していることが明らかになりました。
テキサス州でTHCを禁止する法案が提案される

テキサス州上院で、ダン・パトリック副知事が提出した新法案「上院法案3」が、麻(ヘンプ)や大麻製品へのアクセスを制限する方向で議論されています。この法案では、法律の抜け穴を利用して規制値以上のデルタ9THCを含む製品を販売する事業者が未成年者を危険にさらしていると指摘されており、麻製品の販売を一律に禁止することを目指しています。2019年にテキサス州では産業用大麻の商業化が認められ、CBDを含む製品の製造・販売が合法化されましたが、高THC含有製品を販売する小売業者が法の抜け穴を悪用している現状が問題視されています。
【参考記事】
Texas Proposes Blanket THC Ban in a Move Expected to Decimate Hemp Industry (Business of Cannabis)
デンマーク、医療用大麻制度の本格導入を検討

デンマークでは、2018年から医療大麻の試験プログラムが実施されていましたが、近い将来にこれらの試験プログラムで検証されていた医療用大麻制度のまま医療用制度を設ける方針になる可能性が高いことが発表されました。このプログラムは過去6年間で対象範囲と患者数が拡大しており、現在では4つの異なるアクセスで運営されています。内務保健大臣のソフィー・ローデ氏は、プログラムの包括的な分析報告書を発表した後、関係者と会合し、「この制度を恒久的なものとする計画」について議論しました。
【参考記事】
Denmark looking to turn medical marijuana pilot into permanent market (MJBizDaily)
大麻「使用罪」施行、大麻取締法と麻薬及び向精神薬取締法の一部改正

2024年12月12日をもって大麻に関する法律の改正法が施行されます。「大麻取締法」「麻薬及び向精神薬取締法」の改正は、医療用大麻の利用を可能にし、乱用防止を目的とした規制を強化しています。今回の改正で「大麻取締法」は「大麻草の栽培の規制に関する法律」へと名称が改められます。「大麻草由来医薬品の使用許可」「大麻の使用罪の創設」「THC濃度規制」「大麻草栽培規制の見直し」が主な改正点で、国内のCBD市場やヘンプ市場が大きく変わる可能性があります。
【参考記事】
大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律の成立について(厚生労働省)
『2024年 大麻・CBDニュース総選挙』結果発表

11月16日から12月7日にかけて実施された「大麻・CBDニュース総選挙2024」の結果が発表されました。総投票数は462票に達し、任意のコメント欄記入率は72%という高い割合を記録しました。大麻・CBD業界に対する関心の高さと、業界全体の熱量が伝わる結果となりました。2024年を振り返るとともに、大麻・CBD業界における重要なニュースを振り返る貴重な機会となりました。2025年は国内で大麻・CBD関連法の改正されることで今までとは違ったニュースが増えるかもしれません。
結果
1位. 12月12日、大麻関連の改正法が施行
2位. ドイツ、嗜好用大麻の使用を合法化
3位. 三重県明和町、産業用大麻の栽培を開始
4位. 大正製薬、CBD製品を発売
5位. 大麻規制に関するパブリックコメントの受付を開始
6位. 米大統領選、トランプ当選が大麻産業に与える影響は
7位. SNSでの投稿、ラッパーが麻薬特例法違反で逮捕される
8位. 世界最大スーパーマーケット「Walmart」、CBD製品が販売
【参考記事】
「12月12日、大麻関連の改正法が施行」がグランプリ|『2024年 大麻・CBDニュース総選挙』結果発表! (ウェルネスキット株式会社)
英有名歌手、大麻合法化は「史上最大の過ち」と語る

シングルとアルバムの総売上が3億枚以上とされる英国の歌手エルトン・ジョン氏が、「タイム」誌のインタビューで大麻合法化について「史上最悪の誤りだ」と語り、物議を醸しています。ジョン氏は、若者が合法化された大麻を安易に手にする現状を問題視し、自身の経験をもとに大麻使用のリスクについて言及しました。
この発言には支持と批判の両方が寄せられており、彼の意見が大麻合法化に関する議論を再燃させるきっかけとなっています。一方で、ジョン氏の意見を巡り、合法化による社会的影響や規制の在り方に関する幅広い意見交換が行われています。
週刊大麻ニュース2024年12月7日から2024年12月13日は以上になります。
今回の法改正では、「使用罪」の創設や、大麻栽培、CBD事業者へのTHC基準値の設定など、従来の大麻取締法や麻薬及び向精神薬取締法とは異なる新しい規制が導入されました。この変更は、国内のCBD事業者や利用者、ヘンプ関連業界に大きな影響を与えるニュースとなっています。
今後、日本のCBD市場はどのように変化していくのでしょうか。
確かに、CBD製品を扱う事業者の中には今回の規制強化を受けて悲観的な意見を持つ方もいらっしゃいます。しかし、一方で、この法改正は国内市場を健全に発展させる第一歩であるとも考えられます。厳格な基準が整備されることで、信頼性が高まり、消費者の安心感を高める可能性があります。そのため、市場全体では成長の兆しが見られるかもしれません。
CANNABIS INSIGHTとしても、新たな市場環境に対応しながら柔軟に動き、引き続き価値ある情報を提供していきたいと思います。
話題は変わりますが、今年も「大麻・CBDニュース総選挙2024」が盛況のうちに終了しました。今年最も注目を集めたニュースは、やはり「大麻関連の法改正が施行」で、圧倒的な支持を得ての1位となりました。投票者から寄せられた熱いコメントを拝見し、改めて大麻関連の話題が多くの方に注目されていることを実感しました。
みなさん、投票ありがとうございました!
「12月12日、大麻関連の改正法が施行」がグランプリ|『2024年 大麻・CBDニュース総選挙』結果発表! | ウェルネスキット株式会社のプレスリリース
大麻・CBDのビジネス、経済メディア「CANNABIS INSIGHT」編集長:たかおみ