2024年11月23日(土)から2024年11月29日(金)の期間に世界の大麻・CBD業界で起きた出来事をまとめた『週刊大麻ニュース』をお届けします。大麻に関する合法化、政治、ビジネスなどのテーマを中心に取り扱っております。
※日本国内の違法行為を推奨するものではありません。
11月23日(土)第3回東京国際カナビス映画祭が開催
11月24日(日)ヘンプクリートの壁づくりが体験できるワークショップが開催
11月25日(月)ドイツ、大麻合法化について話し合う欧州5カ国合同会議を実施
11月26日(火)大麻卸売プラットフォームLeafLinkがLeaf Tradeを買収
11月27日(水)アジア最大級の大麻・ヘンプイベント「Asia Hemp Expo2024 」開催
11月28日(木)オーストラリア上院、大麻合法化法案を否決
11月28日(木)フランス、ヨーロッパで最も大麻の消費量が多い国の一つ
11月29日(金)チェコ、医療大麻処方に関する法改正
第3回東京国際カナビス映画祭が開催
11月24日、東京・渋谷で「第3回東京国際カナビス映画祭」が開催され、「The Smoke Master」や「Nothing Rhymes With Oranges」などの作品が上映されました。後半には、国内のカナビス業界の有識者によるパネルディスカッションが行われ、世界中のカナビスに関する作品やトークを楽しめる1日となりました。
【参考記事】
東京国際カナビス映画祭(公式サイト)
ヘンプクリートの壁づくりが体験できるワークショップが開催
京都で2024年11月22日から25日まで、ヘンプクリートを使用した壁づくりを体験できるワークショップが開催されました。ヘンプクリートとは、麻の茎部分と石灰を混ぜた環境に優しい建材で、断熱性や耐火性に優れており、世界的に注目されています。本イベントは、ヘンプ素材の建築に関心のある方や持続可能な建築について学びたい方にとって、貴重な機会となりました。実際に完成したヘンプクリートによる建築物も、本格的な仕上がりとなっています。
【参考記事】
なし
ドイツ、大麻合法化について話し合う欧州5カ国合同会議を実施
2024年11月18日、ドイツ政府はベルリンでルクセンブルク、マルタ、オランダ、チェコ共和国、スイスの代表者を招き、大麻規制に関する国際会議を開催しました。今回の会議では、合法化に向けた各国の進捗状況を共有し、効果的な規制を構築するための重要な機会となりました。ドイツ政府は、国内の反対意見を踏まえつつも、ヨーロッパ諸国との連携を進めることの重要性を強調しました。
大麻卸売プラットフォームLeafLinkがLeaf Tradeを買収
LeafLinkは、米国最大の大麻卸売プラットフォームとして、同業のLeaf Tradeを買収しました。この買収により、LeafLinkはLeaf Tradeが提供していた注文管理や支払いソリューションを統合し、業界全体の効率化と規模拡大を目指しています。買収額は非公表ですが、大麻企業によるM&Aが活発化し、大型取引が増加することは、産業全体にとって良い兆しといえます。
【参考記事】
Cannabis wholesale platform LeafLink buys Leaf Trade(MjBizDaily)
アジア最大級の大麻・ヘンプイベント「Asia Hemp Expo2024 」開催
Asia International Hemp Expo & Forum 2024(AIHE)が2024年11月27日〜30日にタイのバンコクにて開催されました。このイベントは、アジアの大麻・ヘンプ産業で活躍する有識者が大麻・ヘンプに関する情報や知見を共有し、世界の大麻・ヘンプ産業について理解を深める内容となっています。今年は、日本の大麻・ヘンプ産業に関連するセッション「新規制に関する日本の最新情報 – 医療、化粧品、機能性食品、繊維:タイと日本の国際貿易の可能性」が開催され、日本人有識者が登壇しました。
【参考記事】
Asia International Hemp Expo & Forum 2024 公式サイト
オーストラリア上院、大麻合法化法案を否決
オーストラリア上院は、緑の党(Greens Party)が提案した大麻合法化法案を24対13で否決しました。法案支持者であるデイビッド・ショーブリッジ上院議員は、「オーストラリア連邦議会が大麻合法化法案を採決したのはこれが初めてだ。今回の採決が大麻政策を改革する大きな一歩になった」と述べています。緑の党はこの決定に対して継続的な犯罪化の効果に疑問を呈しています。一方、与党労働党や野党連合は、法案の合法性や州の管轄権を理由に反対しました。
【参考記事】
Australia’s Senate Votes Down Marijuana Legalization Bill (Marijuana Moment)
フランス、ヨーロッパで最も大麻の消費量が多い国の一つ
フランスは欧州で最も大麻消費が多い国の一つであり、約20%の成人が一度は使用経験があるとされています。しかし、フランスの大麻規制は依然として厳しく、大麻の所持や使用には高額の罰金が科されます。一方で、非合法市場が存在することで犯罪組織の資金源となっており、この状況が社会問題となっています。他のヨーロッパ諸国、特にドイツが合法化に向けた動きを進める中、フランスでも政策の見直しを求める声が高まっています。
チェコ、医療大麻処方に関する法改正
チェコ共和国では、2025年4月1日から一般開業医が医療大麻を処方できるようになります。これまで医療大麻の処方は専門医に限定され、利用者は約8,000人にとどまっていましたが、患者団体は新たな法改正により数万人規模に増加すると予測しています。処方箋の更新頻度が月1回から3ヶ月に1回となるほか、健康保険は月30グラムまでの費用を90%負担する内容となっています。
【参考記事】
Czech GPs Will be Able to Prescribe Medical Cannabis Next Year (Prague Morning)
週刊大麻ニュース2024年11月23日から2024年11月29日は以上になります。
今週は京都でヘンプクリート体験イベントがありました。私は参できませんでしたが、知人が参加してたこともあり感想や写真をいくつか送ってくださいました。現場の雰囲気や実際にできた作品の本格さに驚かされ、ヘンプクリートの可能性を大きく感じました。
しかし、一方でまだヘンプクリートの市場は小さく、世界的に建築・活用事例が少ないと言われます。確かにヨーロッパの方で活用やニュースが増えてきつつありますが、世界的に見ても大麻(成分としての大麻やカンナビス)の情報量より圧倒的に少ないです。
事例を増やすためにはどうするのがいいのか。また、障壁となっている壁は何なのかを考えることができる。もしくは考える人が増えるとヘンプクリートをはじめとしたヘンプ業界にも大きなブレークスルーが起きるかもしれません。
私の知人は「ヘンプ産業って面白いね。社会的に意義がありそう。」とお話しされていました。私の周りではTHCやCBDだけではなく、ヘンプ産業に興味を持つ方や魅力に感じる方が増えている気がします。小さくとも魅力が広まっていたり、研究対象になったりとここからの数年間でヘンプ産業が日本の大麻業界を大きく変えていくのかなと思ったりもします。
今後、ヘンプ産業はどのような動きになるかわかりませんが「可能性は大いにあり、活用方法を考える」ことは意義あることで、面白いことなのかもしれないなと今週は思いました。
大麻・CBDのビジネス、経済メディア「CANNABIS INSIGHT」編集長:たかおみ