2024年10月19日(土)から2024年10月25日(金)の期間に世界の大麻・CBD業界で起きた出来事をまとめた『週刊大麻ニュース』をお届けします。大麻に関する合法化、政治、ビジネスなどのテーマを中心に取り扱っております。
※日本国内の違法行為を推奨するものではありません。
10月19日(土)SNSでの投稿、ラッパーが麻薬特例法違反で逮捕される
10月20日(日)大麻と麻製品に関する規制法案が承認される
10月21日(月)Open AIのサム・アルトマン氏がサイケデリックについて言及
10月22日(火)カリフォルニア州、3億5300万ドル以上の違法大麻を処分
10月22日(火)アイルランド政府、ドイツ型の大麻規制を参考にする意見
10月23日(水)米国、デルタ9THC飲料の販売を目指した業界団体を設立
10月24日(木)大統領選挙後に大麻合法化の可能性がある4州
10月25日(金)米国での大麻消費率、若年女性が男性を上回る
【目次】
SNSでの投稿、ラッパーが麻薬特例法違反で逮捕される

ラッパー「JN☆MN」が麻薬特例法違反の疑いで逮捕されました。大麻に関連する逮捕のニュースは普段は取り扱いませんが、「麻薬特例法」に基づく逮捕は大麻取締法とは異なる特殊なケースとしてピックアップしました。JN☆MN氏は、自身のX(旧Twitter)で「タクシーの運転手にマリワナくさいって言われて通報されそうになったので、いくらタクシーであろうとこん包はちゃんとしたほうがいいです」などとコメントし、これが逮捕のきっかけになったと報じられています。SNSやYouTubeなどで売人が隠語を使って覚醒剤や大麻の購入者を募ることは麻薬特例法に違反する可能性があります。麻薬特例法は、こうした情報発信や宣伝行為も取り締まり対象となりうるため、非常に複雑な法律です。
【参考記事】
SNSに大麻所持そそのかす投稿の疑いラッパー逮捕 愛知県警(NHK 東海のニュース)
大麻と麻製品に関する規制法案が承認される

タイ政府は、大麻の使用および規制に関する新たな法案を提出しました。この法案では、嗜好目的での使用は引き続き禁止されるものの、医療および研究目的での利用が認められる見通しです。また、政府は公共の場での使用に制限を設け、大麻の管理体制を強化する方針を示しています。タイ食品医薬品局(FDA)の事務局長は、THC含有量が0.2%を超える製品は麻薬と見なされるものの、特定の目的において使用が許可されると説明しています。
【参考記事】
Draft regulations on cannabis, hemp products get Cabinet nod(nationthailand)
Open AIのサム・アルトマン氏がサイケデリックについて言及

OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏は、「Life in Seven Songs」というポッドキャストで、メキシコでの1週間のリトリートに参加し、サイケデリクスを体験したことについて語りました。彼はこの経験が、長年抱えていた不安やストレスの解消に役立ち、より穏やかで落ち着いた生活を送るきっかけになったと述べています。さらに、アルトマン氏はサイケデリクスの商業化にも関心を示しており、サイケデリック関連スタートアップ「Journey Colab」と協力を進めています。この企業は、MDMAやLSDなどの薬物をFDA承認の医薬品に変えることを目指しており、精神医療の分野で新たな治療法を提供することを目的としています。
【参考記事】
Sam Altman Is Jumping Into Psychedelics. But Do We Need Him? (DoubleBlind Mag)
カリフォルニア州、3億5300万ドル以上の違法大麻を処分

カリフォルニア州では、違法大麻市場の拡大が依然として続いています。厳しい規制と高い税率により、ライセンスを所有する業者が運営に苦しむ一方で、違法市場では取引量の増加と低価格商品の流通が進んでいます。州政府は、規制の強化と違法市場の取り締まりを進めており、今回の取り締まりでは36の郡で実施され、約3億5300万ドル相当の違法大麻が押収されました。カリフォルニア州は定期的に取り締まりのニュースを発信していますが、依然として複雑な問題を抱えている状況が続いています。
【参考記事】
More than $353 million in illegal cannabis destroyed in California this year(KTLA)
アイルランド政府、ドイツ型の大麻規制を参考にする意見

アイルランド共和国のオイレハト議会の委員会は、特定の薬物に関する規制モデルとして、ドイツやスペインの事例を参考に合法化の導入を検討するよう提案しました。アイルランドでは大麻の合法化に向けた議論が活発化しており、市民の声を反映しながら慎重に進める姿勢を示しています。また、アイルランドに限らず、EU圏内ではドイツの大麻規制が他国での議論に影響を与え、次の段階へ進む可能性が高まっています。
米国、デルタ9THC飲料の販売を目指した業界団体を設立

13社が参加する新しい業界団体「CABA」が、安全で合法なTHC入り飲料の普及を目指して結成されました。同団体は、デルタ9THCを含む飲料を従来の小売店で手軽に入手できるようにし、商業化を推進することを目指しています。消費者が安心してTHC入り飲料を楽しめるよう、業界団体は一致団結し、責任と透明性のあるマーケティングの実施を啓蒙するとともに、規制に関する議論を進める予定です。規制が不明瞭な業界において、このような取り組みは極めて重要なものとなります。
【参考記事】
13 Companies Form New Coalition Advocating for Safe, Legal THC Beverages (Cannabis Business Times)
大統領選挙後に大麻合法化の可能性がある4州

2024年の大統領選挙後に大麻が合法化される可能性のある4つの州が注目されています。フロリダ州、サウスダコタ州、ノースダコタ州、ネブラスカ州がその対象で、住民投票や立法措置を通じて、嗜好用大麻や医療用大麻の合法化を目指しています。各州の取り組みが選挙後の大麻産業の拡大に影響を与えると期待されており、全米から注目を集めています。
【参考記事】
4 States That Could Legalize Cannabis in 2024 Election(Cannabis Business Times)
米国での大麻消費率、若年女性が男性を上回る

米国国立薬物乱用研究所(NIDA)が発表したデータによると、米国で初めて若年女性の大麻消費率が男性を上回ったことが明らかになりました。この調査結果を受け、大麻業者はマーケティング戦略の見直しを進めています。女性顧客向けの製品や体験の提供が重要視され、店舗デザインやマーケティング手法の多様化が進んでいます。女性消費者は、ストレス、不安、精神的な問題を解消するために大麻を利用することが多いと報告されています。
週刊大麻ニュース2024年10月19日から2024年10月25日は以上になります。
12月12日に施行される新しい法律を前にして色々水面下で動いている方やイベントを企画している方、一方で海外での事業展開に注力している方など一般的に見るとネガティブな期間にも関わらず大麻・CBD領域で新しい形を模索している方が各地でいるなと思える1週間でした。もちろん、事業撤退をせざるを得ない状況や短期的な経済的合理性を見ると違う事業をスタートした方がいい可能性は多いにあるので「続ける」ことが全ての人にとっていいかと言われるとそうとは言えませんが、混沌とした「よくわからん」市場で事業するのってお金では買えない面白さやロマンのようなものがあって、魅力的な側面もあり、逆張りで「よくわからん」市場に貼り続ける、もしくはCBD業界で言うとここからできる限りさらに踏ん張ってみるみたいなのは数年後の自分や社会を大きく変えそうな気もしなくもないです。
ケースバイケースで人それぞれなので一概にCBD業界がいいとは言いませんが、混沌としていることには間違いないですし、ロマンを感じることができる市場の一つではないでしょうか。CANNABIS INSIGHTはこれからも記事の投稿を進めていきたいと思います。
大麻・CBDのビジネス、経済メディア「CANNABIS INSIGHT」編集長:たかおみ