UAE・ドバイと大麻・CBDの合法化/法律/歴史/ビジネス|完全まとめ

こんにちは、CANNABIS INSIGHT(カンナビスインサイト)です。

今回はUAE・ドバイにおける大麻・CBDの合法化・法律・歴史・ビジネスについて解説します。

UAEのなかの厳格なイスラム法の下で大麻規制がどのように進化しているのか、その背景を探っていきます。UAE・ドバイにおける大麻やCBDの規制は、依然として厳格ですが、法律の改正や社会の変化により、今後さらなる動きが予想されます。

ドバイはUAEを構成する7つの首長国の1つです。UAEは連邦制国家であり、ドバイは独立国家ではありません。

目次

UAE・ドバイにおける大麻・CBD規制と合法化

ドバイの街の画像

大麻関連製品に対しての厳格な規制

アラブ首長国連邦では、嗜好目的の大麻の使用と所持は、一切容認されていませんまた、CBDの使用も同様に厳しく規制されています。医療および科学活動の一環として、監督および規制された使用は許可されていますが、嗜好目的の使用は認められていません。大麻の使用、販売、所持は違法であり、違反者には厳しい罰則が科せられます。これらの罰則には、懲役刑、罰金、国外追放(外国人の場合)などが含まれます。

しかし2020年から2021年にかけて、麻薬関連犯罪で逮捕された人の数は20.8%増加しています。これは、厳しい罰則にもかかわらず、UAEでは依然として大麻の使用が問題となっていることを示唆しています。

合法化の状況

UAEでは近年、社会の変化を反映して薬物に関する法律が改正されていることがわかります。2021年以前は、麻薬関連の違反に対しては、懲役刑、罰金、外国人居住者の場合は国外追放などの重い罰則が科せられていました。

しかし、2021年に法律が改正され、初犯者には二度目の機会が与えられ懲役刑を回避できるようになりました。また中毒者が自主的に名乗り出た場合や家族が届け出た場合は、起訴されるのではなく、リハビリを受けるという措置が追加されています。

これらの改正は、UAEが社会の変化、特に外国人居住者の増加や観光産業の発展に対応しようとしていることを示唆しています。しかし依然としてイスラム教の考え方が重視されており、薬物の使用に対しては厳しい姿勢が保たれています。

大麻に関する政策・法律の背景

UAEはイスラム法であるシャリーアに基づいており、シャリーアではアルコールや違法薬物の使用は禁止されています。

そのうえUAEは南アジア、中央アジア、アフリカといった麻薬の主要生産地と、ヨーロッパ、北米などの主要消費市場との間に位置しています。 この地理的な条件により麻薬を密輸するための便利な中継地点となっています。麻薬の積み替え地点としてのUAEの役割は、国内での麻薬の供給と需要の増加につながってきました。 多くの麻薬が流入するため、違法薬物を使用できる機会が増えているとされます。

麻薬が最終目的地に到達する前に、一時的に保管、隠匿、または輸送ルートを変更するために利用されるという背景もあり、麻薬関連法は厳格です。

大麻を規制する具体的な法律は「麻薬及び向精神薬の取締りに関する連邦政令法」。 この法律は2022年1月2日に施行されました。大麻は「麻薬」に分類され、スケジュール1に記載されています。 スケジュール1に記載されている物質は、医療目的や科学研究目的の場合を除き、輸入、輸出、輸送、生産、製造、持ち込み、所持、取得が一切禁止されています。

麻薬のスケジュールとは:
薬物を危険性や医療用途の有無などに基づいて分類する制度です。

日本から渡航する際には注意が必要

日本から渡航する際には特に注意すべき点がいくつかあります。麻薬関連法は非常に厳格であり日本国内ではCBDなど合法とされている場合であっても、UAEでは違法とされる可能性があります。

UAEに持ち込むこと自体が違法とされているものもありますので、渡航前にUAE大使館や領事館に確認することを強くお勧めします。UAEでは処方箋なしで入手できる薬であっても、UAEへの持ち込みが規制されている場合があります。 常備薬や市販薬を持ち込む場合は事前にUAE大使館や領事館に確認しておくとよいでしょう。

UAEの法律や文化を尊重し、違法行為には一切手を染めないようにしましょう。

渡航される際などは、ご自身で必ず最新の情報をお確かめください。

大麻を取り締まる法律の変遷の一部

西暦関連法案、出来事概要、背景
1995麻薬・向精神薬法(Federal Decree by Law on Combating Narcotics and Psychotropic Substances)大麻を含むさまざまな物質の所持、使用、販売、輸入、輸出を原則として禁止
2022麻薬・向精神薬法改正麻薬犯罪に対する刑罰の強化、麻薬中毒者の治療とリハビリテーションの強化、麻薬の密売規制の強化

UAEにおける大麻ビジネスについて

連邦レベルと首長国レベルで定められており、ドバイのような地方自治体は連邦法の枠内で独自の規制を設けることができます。ドバイでは化粧品・ヘルスケア製品・美容液・リップクリーム・フェイシャルオイルに含まれることの多い麻の実油の販売と購入は合法であると宣言しています。

一方、CBD製品はアラブ首長国連邦では違法であり、大麻、マリファナ、その他の薬物と同じように扱われます。ドバイが発表した麻の実油の合法性に関する発表が、この市場を開放する道を開く可能性があるかどうかは不明です。

現在、アラブ首長国連邦では大麻関連製品の特許を取得することはできません。そのためドバイでは合法市場はほぼ存在していないと言って差し支えない状況でしょう。

ニュース・レポート

CANNABIS INSIGHTではUAEの大麻に関するニュースや情報を発信していきました。依然として厳しい規制下にあるUAE・ドバイですが、サイケデリックの学会が開催されるなど、今後動きが出てくる可能性があります。引き続き、情報をお伝えできればと思っております。

▼ 過去に取り上げたニュース

アラブ首長国連邦(UAE)で、ドバイとアブダビにおいて開催されたサイケデリック支援療法に関する会議が多くの専門家の参加を集め、議論が進展しました。UAEは薬事法の改正や教育の導入を通じて、サイケデリック療法への関心を高めています。特に、エネルギア財団とタブラ・ラサ・ベンチャーズが、政策立案者や医療関係者向けの教育に力を入れています。これまで薬物政策に厳しい姿勢を示してきたUAEですが、その風向きが変わりつつある可能性があります。

【他の地域の大麻の状況について知る】

参考記事・情報

※本記事は、日本国内ならびに国外での違法行為を助長する意図はありません。
この記事の内容は、あくまで読者の皆様のリサーチや学習の一環として提供しています。
法律に関する最新情報は各国の公式サイトをご確認ください。

編集者

CANNABIS INSIGHT代表/編集長
世界の大麻・CBDのビジネスや経済情報を調べています。

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