2021年から2023年の米国における65歳以上の高齢者の過去1ヶ月間の大麻使用動向と、関連する社会人口学的・臨床的特徴についての論文が公開された。
主要な点として、高齢者の過去1ヶ月間の大麻使用率は、2021年の4.8%から2023年には7.0%へと有意に増加した。
この増加は「その他」の人種に該当する高齢者(2021年の1.6%から2023年の7.4%)で最も顕著であり、女性、白人、大学または大学院の学位を持つ者、年間所得が75,000ドル以上の者、既婚者、医療用大麻合法州の居住者にも見られた。慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性疾患や、複数(2つ以上)の慢性疾患を持つ高齢者でも使用率が増加した。最高所得層は当初最低使用率だったが、2023年には最高となった。
本研究は、米国非居住者を対象とした代表的な調査である「薬物使用と健康に関する全国調査(NSDUH)」の2021年から2023年のデータを用いた横断研究であり、Benjamin H. Han氏らが著者である。
背景には、大麻の入手可能性の増加と、様々な慢性健康状態の管理のために高齢者が大麻に関心を寄せている現状がある。NSDUHの2020年以降の方法変更により、2021年から2023年のデータはそれ以前のデータと比較できない点に留意が必要だ。
これらの知見は、高齢者の大麻使用パターンの変化を示唆し、特に医療用大麻合法州での使用増は、患者と臨床医への教育支援の重要性を強調する。大麻製品、特に精神活性作用のあるものの使用は、高齢者の慢性疾患管理を複雑にする可能性があり、生理的変化や慢性疾患により有害作用を受けやすい。
したがって、医療従事者は高齢患者に対し、大麻使用の潜在的リスクについてスクリーニングと教育を行うべきであると結論付けられている。
情報源の記事:Trends in Past-Month Cannabis Use Among Older Adults (JAMA Network)
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