【大麻上場企業】Jazz Pharmaceuticals の株価、会社概要、決算、事業内容を解説

みなさん、こんにちは。

CANNABIS INSIGHT(カンナビスインサイト)のたかおみです。

今回は、Jazz Pharmaceuticals(ジャズ・ファーマシューティカルズ)についてご紹介します。この企業は、睡眠障害やてんかんなどの治療薬を提供し、患者の生活向上に貢献することを目指しています。

特に、2021年にGW Pharmaceuticalsを買収したことで、CBDを主成分とする医薬品エピディオレックスのポートフォリオを強化し、難治性てんかんに対する治療選択肢を広げています。

目次

会社概要

公式サイト

ジャズ・ファーマシューティカルズは、睡眠障害やてんかんの治療薬を含む医薬品を提供するバイオ医薬品企業です。彼らは、患者の生活を向上させる革新を目指しており、治療選択肢が限られた病気の治療に専念しています。オンコロジーと神経科学分野で革新的な治療薬を開発し、製品は約100か国で販売されています。2003年設立の同社は、カリフォルニア州パロアルトに拠点を置き、誠実さやイノベーションを重視しています。また、新規化合物や革新的な治療技術を積極的に模索し、希少疾患の治療にも注力しています。

経営者

ジャズ・ファーマシューティカルズの会長兼CEOはブルース・コザッド氏です。彼は、研究開発や製造、販売、マーケティングの分野で豊富な経験を持ち、かつてジョンソン・エンド・ジョンソンに買収されたALZA Corporationで執行副社長兼最高執行責任者を務めました。2003年にジャズ・ファーマシューティカルズを共同設立し、2009年から会長兼CEO。さらに、Biotechnology Innovation Organization(BIO)の理事やACELYRIN, INC.の会長、非営利団体The Nueva SchoolとSFJAZZの理事も兼任しています。コザッド氏はイェール大学で学士号、スタンフォード大学でMBAを取得しています。

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企業掲載のプロフィール

Jazz Pharmaceuticals の強み

ジャズ・ファーマシューティカルズのビジネス上の強みは、以下の点が挙げられます。

  • 革新的な研究開発: ジャズはオンコロジーと神経科学分野で、患者中心の科学に基づいたアプローチを採用し、新規化合物や革新的な治療技術を模索しています。自社製品開発に投資しつつ、多くのパートナー企業(Aerial、Genentech/Roche、Sumitomo Pharmaなど)と提携して価値を創造しています。
  • 世界的なプレゼンス: 同社の医薬品は約100カ国で販売され、欧米、オーストラリア、日本を含む世界中に拠点があります。他の企業との提携を通じて、アジア太平洋地域やラテンアメリカにも医薬品を提供しています。

事業内容

ジャズ・ファーマシューティカルズは、主に2つの主要セクターに注力するバイオ医薬品企業です。

神経科学

同社は睡眠障害治療薬で長年リードし、てんかんなどの重度の神経疾患にも対応しています。最近では、小児てんかんなど希少で深刻な疾患への治療にも事業を拡大し、患者の生活を変える医薬品を提供しています。

エピオディレックス

ジャズ・ファーマシューティカルズは2021年にGWを買収し、この薬剤のポートフォリオを強化しました。

エピディオレックス(Epidiolex)は、イギリスのGW Pharmaceuticalsが開発したCBD(カンナビジオール)を主成分とする医薬品で、難治性てんかんのレノックス・ガストー症候群(LGS)やドラベ症候群(DS)の治療を目的としています。1996年から研究が始まり、2010年にラットでの抗てんかん作用が確認。2018年にはFDAに承認され、CBD由来の初の医薬品となりました。エピディオレックスは500人以上の患者を対象とした試験で発作頻度の有意な減少を示し、長期的な安全性も確認されています。

オンコロジー

再発小細胞肺癌や急性白血病、造血幹細胞移植の合併症である静脈閉塞性疾患(VOD)などの治療法を開発しています。特に、満たされていないニーズを持つ小規模な患者グループや小児患者に焦点を当てています。

オンコロジーとは:
がんや腫瘍に関する研究、診断、治療、予防を専門とする医学分野。日本語では「腫瘍学」。

Jazz Pharmaceuticalsの開発薬

画像引用元 – Our medicines

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【Jazz Pharmaceuticals   2023 決算報告】

最後にJazz Pharmaceuticals の決算情報をわかりやすくまとめてみます。会計士ではないので、事実ベースでまとめてみました。また今回の情報は2024年(執筆時:2024/9/26)のデータを参照しています。

2023年の主要な財務諸表と考察

項目2023年12月31日までの3ヶ月間2022年12月31日までの3ヶ月間2023年度2022年度
総収益$1,011,935,000$972,123,000$3,834,204,000$3,659,374,000
売上総利益$904,692,000$804,759,000$3,408,627,000$3,118,857,000
営業利益$122,497,000$(263,386,000)$578,580,000$(65,528,000)
税引前当期純利益$61,526,000$(339,993,000)$297,929,000$(372,784,000)
当期純利益(損失)$94,154,000$(240,724,000)$414,832,000$(224,060,000)
1株当たり純利益(損失)$1.42$(3.82)$6.10$(3.58)

出典:Jazz Pharmaceuticals Announces Full Year and Fourth Quarter 2023 Financial Results and Provides 2024 Financial Guidance

考察:

  • 総収益は2023年度に$38億ドルを超え、前年比5%増加しました。 この増加は、主にXywav®、Epidiolex®、Rylaze®などの主要製品の売上増加によるものです。
  • オンコロジー分野の収益は、2023年度に$10億ドルを超えました。 これは、特にRylazeの売上が大きく伸びたことによるものです。
  • 営業利益は2023年度に$5億7,858万ドルと黒字に転換しました。 これは、主に収益増加によるものです。
  • 当期純利益も2023年度に$4億1,483万ドルと黒字に転換しました。 これは、営業利益の黒字転換に加えて、法人税等の影響によるものです。

2024年の見通し:

  • ジャズ・ファーマシューティカルズは、2024年度の総収益を$40億ドルから$42億ドルと予想しており、前年比7%の増加を見込んでいます。
  • この成長は、Xywav、Epidiolex/Epidyolex、オンコロジー製品の売上増加によって支えられると予想されています。

主な事業の動向:

  • Xywavは、ナルコレプシーと特発性過眠症の治療薬として、引き続き力強い成長を見せています。
  • Epidiolex/Epidyolexは、治療抵抗性てんかんの治療薬として、世界的に販売を拡大しています。
  • オンコロジー分野では、Rylazeが急性リンパ芽球性白血病の治療薬として、力強い成長を続けています。 また、Zepzelcaは小細胞肺癌の治療薬として、第3相臨床試験が完了し、今後新たな適応追加が期待されています。

財務上の強み:

  • 2023年12月31日現在、ジャズ・ファーマシューティカルズは$16億ドルの現金、現金同等物、および投資を保有しています。
  • 同社は、堅調な事業業績と財務規律を背景に、2023年度に$10億9,200万ドルの営業キャッシュフローを生み出しました。

株価

まとめ

ジャズ・ファーマシューティカルズは、革新的な治療薬の開発に注力し、患者中心のアプローチを採用しています。特に、エピディオレックスの買収によって、難治性てんかんの治療市場での競争力が向上しました。今後も同社は、神経科学やオンコロジー分野での成長を続け、新しい治療法の提供を通じて患者の生活を改善することが期待されています。

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※本記事は、日本国内ならびに国外での違法行為を助長する意図はありません。
この記事の内容は、あくまで読者の皆様のリサーチや学習の一環として提供しています。
法律に関する最新情報は各国の公式サイトをご確認ください。

編集者

CANNABIS INSIGHT代表/編集長
世界の大麻・CBDのビジネスや経済情報を調べています。

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