【大麻上場企業】Curaleaf の株価、会社概要、決算、事業内容を解説

みなさん、こんにちは。
CANNABIS INISIGHT(カンナビスインサイト)のたかおみです。

今回は大麻上場企業の「Curaleaf」について解説していきたいと思います。

Curaleaf Holdings, Inc.は、医療および嗜好用大麻市場で急成長を遂げる企業で、業界内での品質、専門性、信頼性に定評があります。米国19州で145の薬局を運営し、世界中に広がるプレゼンスを持ち、生活を向上させるために大麻の力を最大限に活用しています。この記事では、同社の事業内容や2023年度の業績、今後の成長戦略について詳しく見ていきます。

目次

Curaleaf の会社概要

▶︎ 会社HP

Curaleaf Holdings, Inc.は、医療および嗜好用大麻市場で業界をリードするサービス、製品セレクション、アクセシビリティを提供する、高成長の大麻会社です。

品質、専門知識、信頼性で知られており、Curaleaf、Select、Grassrootsなどのブランドを通じて、大麻の力を高め、共有し、称賛することで生活を向上させることを使命としています。米国19州でブランドを販売しており、145の薬局を運営し、世界中に5,600人以上の従業員を擁しています。

もともと2010年にPalliaTech, Inc.として設立され、2018年に株式会社Curaleafに社名を変更。

経営者

2024年8月現在、ボリス・ジョーダンがCEOを務めています。2014年にキュラリーフの創業出資者となり、2015年からはエグゼクティブ・チェアマンを務めるなど、同社にとって重要な役割を果たしてきました。

金融サービス、テクノロジー、エネルギーなどの業界で数十億ドル規模の事業を共同設立した経験があります。特に新興市場への投資経験が豊富。その独自の視点を大麻産業にも応用しているとされます。

▶︎ ボリス・ジョーダンのXアカウント

Curaleafの強み

  • 主要市場における高い市場シェアと成長
    アリゾナ、フロリダ、ニューヨーク、ペンシルベニアなどの主要市場で、高い市場シェアと成長率を誇っています。Curaleafの米国小売事業は、年間9%の成長を遂げ、初めて10億ドルを超えました。国内卸売事業は、順次15%の成長を遂げています。
  • ヨーロッパ全域の独自の供給および流通ネットワーク:
    ヨーロッパでのプレゼンスを高めるために、いくつかの戦略的な動きをしてきました。 例えば、ポルトガルのClever LeavesからEU GMP処理資産を取得し、ヨーロッパ事業の統合を進めています。また、イギリス市場で食用大麻の販売を開始し、ポーランドへの卸売も開始しました。

GMPとは:
Good Manufacturing Practiceを略したもので、医薬品の製造所における製造管理と品質管理に関する基準

事業内容

Curaleafは、医療および嗜好用大麻市場において、高品質な大麻製品を提供する国際的な大手企業です。 Curaleafは、大麻草の力を育成、共有、称賛することで生活を向上させるという使命を掲げて、事業を展開しています。

Curaleafの事業内容は、以下の3つに大別できます。

米国での小売事業

Curaleafは、米国19州でCuraleaf、Select、Grassrootsといったブランド名で、医療および成人向け大麻製品を販売しています。 2023年末時点で、米国には145のCuraleafの薬局があり、5,600人以上の従業員が働いています。

▼ ブランドの一部:
Select、Grassroots

Select
Grassroots

出典:Curaleaf Brandsより

国際事業

Curaleaf Internationalは、医療大麻の研究、栽培、抽出、生産、流通を統合した一気通貫の大麻事業会社。 このビジネスモデルにより、高品質の大麻を必要とする人々が利用できるようにするというビジョンを推進しています。 サードパーティによる試験も実施しており、パッケージに記載されている内容と中身が完全に一致していることを保証。

拠点は、英国、ドイツ、フランス、イタリア、スイス、スペイン、ポルトガル、ポーランド、チェコ共和国。

▶︎ Curaleaf International

卸売事業

Curaleafは、他の大麻販売店に卸売販売も行っています。 2023年に15%の順調な成長を遂げました。米国およびヨーロッパにおける大麻の合法化の進展を背景に、事業を急速に拡大しています。

決算書を読んでみる

【Curaleaf  2023 決算報告】
出典:Curaleaf Reports Fourth Quarter and Full Year Ended 2023 Results

最後にCuraleafの決算情報をわかりやすくまとめてみます。会計士ではないので、事実ベースでまとめてみました。また今回の情報は2024年(執筆時:2024/8/21)のデータを参照しています。

2023年度の決算情報は、以下の通りです。

項目2023年度2022年度
純収益13.5億ドル12.7億ドル
売上総利益6.144億ドル6.264億ドル
調整後売上総利益6.251億ドル6.67億ドル
営業活動による継続事業からのキャッシュフロー9,120万ドル
営業活動による継続事業からのフリーキャッシュフロー2,580万ドル
純損失2.812億ドル3.701億ドル
継続事業に帰属する調整後純損失1.261億ドル1.168億ドル
調整後EBITDA3.045億ドル3.149億ドル

2023年のハイライト

  • 売上高は前年比6%増の13.5億ドル
  • 売上総利益率は46%
  • 調整後売上総利益率は46%
  • 調整後EBITDAマージンは23%
  • 営業活動による継続事業からのキャッシュフローは9,120万ドル
  • アリゾナ、フロリダ、ニューヨーク、ペンシルバニアなどの主要市場において、市場シェアと成長を牽引
  • 米国における卸売事業は、売上高が前年同期比15%増
  • 米国における小売事業の売上高は前年比9%増の10億ドルを突破

2023年度は全体として増収となった一方で、利益率が低下している点が気になります。特に米国市場における成長が顕著であるものの、競争激化や価格の圧力が利益率に影響を与えている可能性が高いです。これにより企業はコスト構造の見直しや、さらなる市場拡大を図る必要があります。

またキャッシュフローがプラスを維持している点から、財務の健全性は保たれていると考えられますが、今後の市場環境次第で影響を受ける可能性もあるでしょう。

2024年に飛躍を実現するためには、価格競争にどう対応するか、どの市場でさらにシェアを伸ばすかが鍵となるでしょう。

株価

まとめ

2023年度のCuraleafは、売上高の増加とキャッシュフローの健全性を維持しながらも、利益率の低下が課題として浮上しました。競争激化や価格圧力への対応が、今後の成長と利益率改善の鍵となるでしょう。効率的なコスト管理と市場シェアの拡大に注力することで、2024年にはさらなる飛躍が期待されます。Curaleafの今後の展開から目が離せません。

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※本記事は、日本国内ならびに国外での違法行為を助長する意図はありません。
この記事の内容は、あくまで読者の皆様のリサーチや学習の一環として提供しています。
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編集者

CANNABIS INSIGHT代表/編集長
世界の大麻・CBDのビジネスや経済情報を調べています。

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