みなさん、こんにちは。
CANNABIS INSIGHT(カンナビスインサイト)のたかおみです。
今回は久しぶりにコラム記事を書きます。
最近考えていることをメモがてらまとめる予定で、従来の週刊ニュースや考察記事より雑多な感じになると思います。
最近、CBD業界のCoAやラベリング問題について考える機会が多くありました。
CANNABIS INSIGHTの活動だけではなく、下記のような記事やツイートがCBD業界の一部で話題になっていることなど、様々な場面でCoAに関する問題提起が行われているのを目にします。
今回はそんな「CoAやラベリング問題」に関するお話です。
【目次】
【CBDを語るうえで切り離せないCoAの話①】
まとめ(時間がない方はこちらを読んでください)
大前提として成分表を意図的に改竄するのはOUTだが、商品のコモディティ化が激しいCBD業界では如何に安く商品を仕入れれるかが基本戦略になりがちなため、そういった戦略を取る事業者は比較的に検査が雑で安価な商品を仕入れるケースが多くあるはず。となると、CoAを偽装したり改竄する必要性が出てくるので、現在のような問題が起きている。そして、CoAがバレるリスクより金銭的なメリットが勝っていると言う業界全体の「構造的な問題」があるのではないかと個人的には考えます。他にも色々要因はあると思いますが!
CoA改竄は問題なのか?そもそもなぜ改竄するの?
CoAの改竄に対する問題意識はメディアを開始した時からあったものの、私自身のCoAに対する理解度も低くく「なんとなくCoAって問題だらけだよねー。」と思っていた程度でした。
しかし、とある機会をきっかけに改めてCoAの課題を整理したり、実際に勉強している方にお話を聞くとCoAやラベリング問題への解像度が上がった一方で、業界の構造的にどうしようもない問題があるんじゃないのかと思うようになりました。
CBD市場と事業者の構造を理解する
CoAやラベリングの問題は複雑で、各機関や組織が問題を抱えています。
今回は各問題を深掘りするのではなく、そもそも「なぜCoAを改ざんするのか?」について私の考えをまとめてみようと思います。
基本的にCoAを改ざんするのはCBD事業者(原料卸、製造、販売など)になります。第三者の検査機関やラボはCoAを改ざんするメリットがほとんどないですし、この機関が改ざんし始めると「第三者機関」の意味がなくなります。
なので、ここでは「CBD事業者」がなぜCoAを改ざんするのかを考えることにします。
それらを考えるうえでまず、CBD事業者の動機や目的を整理します。
これが一番重要な観点です。
CBD事業者はビジネスという名の営利活動を行っており、お金が稼げなければ「OUT」という環境で活動しています。私たちCANNABIS INSIGHTもこれは同じです。
となると、CBD事業者の動機や各施策の目的は「儲ける」ことにあります。
確かに、ビジョンや想いが強い事業者も多くいますが、どこかで「儲け」なければ事業は衰退するわけなので、営利目的の企業や事業の最終的な目的は「儲ける」ことになるはずです。
そして、次に考えるべきことは、「儲ける」ためどうしたらいいのかということです。
細かい戦略や施策は様々ですが、「儲ける」ためには「ニーズがある(顧客がいる)市場で競合に勝つ」ことが基本的な方針になるのではないかと私は考えます。
現在、国内のCBD市場は成長しつつあります。
世間的な認知も増え、皆さんの周りでもCBDを知っている方が増えたのではないでしょうか。しかし、一方で顧客への認知が拡大するスピード以上にCBD事業者の増加が著しくあります。
そして、CBD事業への参入は小資本でできるため、比較的誰でも容易にCBD市場に参入することができます。
また、参入障壁が低く競合が増えるだけではなく、CBD事業では「商品の差別化が非常に困難」な性質を持っています。どの商品も機能的には大差なく、CBDのことをよく知らない初心者層のユーザーはなんとなく商品を購入することが多いと思います。(もちろん機能的にこだわっている企業があるのも知っています)
要するに、コモディティ化しやすい市場だということです。
CBD市場は商品が似ている(コモディティ化)にも関わらず、参入障壁が低く、市場自体もそこまで大きく成長しきっていない現状があるため、「ニーズがある(顧客がいる)市場で競合に勝つ」が非常に困難な市場であることがわかります。
業界構造から見るCoA改ざんについて
CBD市場のコモディティ化は海外の大麻市場でもよく言われていることなので、間違った観点ではないと思います。そして、おそらくこの市場構造が何かしらの大きな変革がない限り変わらない「市場構造」であることがわかります。
CBD事業者は「儲ける」必要がありつつも、差別化が難しいという現状に悩まされています。
市場構造的にどこかで差別化する要素を入れなければ…
と考えると、おそらくほとんどの事業者は「仕入れ額を抑えて、市場の適正価格で販売しよう!」と考えるはずです。そして、安く仕入れる方針に力を入れるようになります。
ちなみにですが、差別化要素の多い業界ではユーザー体験やテクノロジーを駆使して、プロダクトの改善をして付加価値をつけ、他の商品との差別化を図ることができますが、CBD製品ではなかなか難易度が高い施策な気がします。(そこをやらないとビジネスやっている意味がないし、負けて当然との意見も理解できますが…)
基本的な戦略が仕入れ値や販売価格での勝負になることから、より安く仕入れることになり、注力し始めます。
より安く仕入れるということは管理コストのかかっていない商品を仕入れることになりやすいです。
それは検査が曖昧な製品だったり、規制物質および体に悪い物質の入った製品を手にする確率が高くなることでもあります。もちろん、すべての製品が悪い状態の製品を仕入れているわけではないですし、卸業者も変な企業ばかりではありません。しかし、より厳密に検査して、大麻の部位ごとに成分を抽出することは普通に考えるとコストのかかることが大半だと思います。
業界構造上、差別化戦略がうまく機能せず、原料の仕入れ額勝負になると、よくわからない成分や商品が入ってくる確率が高くなるのは予想できると思います。
CBD事業者が競争に勝つためにこのような施策を取るケースが多くなっているのが現在の国内の黎明期であるCBD市場ではないのでしょうか。
もちろん、CoAを改竄したり、消費者に嘘をつくことはいけないことです。しかし、このような構造的な問題が各企業のCoA問題を助長する動機になっているのではないのかなと考えます。めっちゃ極論ですが!
CoA問題の解決策を考えてみる
どこから解決すべきなんですかね?(笑)
大掛かりで、なかなか進まなそうな施策で言うと公的機関が第三者機関を設立する、もしくは基準値や標準ルールを制定するあたりでしょうか。
だた、結構難しそうですよね。
業界的なCoAフォーマットを作成することや定期的にCBD事業者の製品を検査するなども解決策になるのかな。
他には長期的で根気のいるものにはなりますが、影響力のある企業やCBD関連メディアがCoAを公開したり、それに関する記事や注意喚起を行うことが重要かもしれませんね。
CoAは業界に限ったものではないですが、大麻・CBD業界では比較的重要な書類だったりするので、その重要性をCBD事業者にも伝えて、理解を深めてもらうことが一番初めにすべきCoAの解決施策かもしれませんね。
クリティカルに解決するわけではないですが、じわじわいい文化ができればいいなと思います。
これ以外にも課題があると思いますし、私が的外れなことをお伝えしているケースも多々あるかもしれませんが、確実に「商品の安全性」に関してCBD業界全体が抱えている問題であり、どうにかできたらと思っています。
大きなアクションはできませんが、私も少しずつこのような記事を書いたり、CBD事業者の皆さんと情報交換していきたいと思っています。
と言うことで、CoAに対する考えをまとめてみたコラムでした。
何か面白い取り組みやアイディアがある方はぜひ情報交換しましょう👍
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