2023年に世界で起きるであろう大麻・CBD業界の出来事、ニュースを予測します!
今回の記事はCBDに大きく関係する「大麻」の世界的なトレンドをお伝えすることを目的にしており、興味深い事実や驚くべき情報を提供することで、読者の皆さんに「へー、なるほどー」や「それ、違うよ」など思っていただければ嬉しいです。
CANNABIS INSIGHTは、大麻やCBDのビジネス・経済メディアで、「大麻×スタートアップ」「大麻×Web3」「大麻×上場企業」などのビジネス情報や、各週で世界の大麻ニュースをまとめる「週刊大麻ニュース」を連載しています。
※この記事は、日本国内の違法行為を推奨するものではありません。
【目次】
私が予想する2023年に世界で起こる大麻業界の出来事はこの4つだと思います!少々、抽象的なカテゴライズになっていますが、概ねこれらのトピックに関する大麻・CBD業界ニュースが世界・日本国内で増えてくるのではないかと思います。
【CANNABIS INSIGHTの予想する2023年の業界ニュース】
①アジア、南米諸国の合法化・規制緩和
②国内で産業用大麻活用に関する議論が増える
③違法な大麻市場のユーザーが合法市場に流入
④広告規制の緩和
これらのテーマに関して、ここから予測と考察をしていきます。
過去に週刊大麻ニュースで取り上げたニュース一覧です。
ここで取り上げたニュースを参考に、2023年の大麻ニュースの予測をしていきます。
↓こちらのリンクから飛んでいただくと、世界のトレンドを掴めることできると思います。
アジア、南米諸国の大麻(CBD)合法化・規制緩和

2022年はタイの大麻合法化が大きなトピックとして取り上げられました。また、バイデン大統領の恩赦声明も全世界から注目を集めました。しかし、実は昨年、定期的にニュースになっていた国々が他にもあります。それが、南米諸国である「アルゼンチン」「コスタリカ」「コロンビア」「ブラジル」です。
確かに、南米は大麻やその他のドラッグに関する歴史や文化が比較的強い地域ですが、近年では国が先導して規制緩和を行い、「大麻」を新しい産業創出のきっかけにしつつあります。具体的には大麻を生産し、輸出産業に育てていくことや医療用としての大麻活用などです。2023年は南米諸国の「大麻」に関するニュースが多くなると考えます。
【参考記事】
週刊大麻ニュース 7/9-7/15:アルゼンチン最高裁判所が医療用大麻を容認
週刊大麻ニュース 8/20-8/26:コスタリカ大統領、嗜好用大麻を承認する計画を発表
週刊大麻ニュース 5/14-5/20:ブラジルが新たに2つの医療大麻製品を承認した
週刊大麻ニュース 8/6-8/12:コロンビア新大統領、大麻合法化について語る
そして、規制緩和や合法化の動きは南米だけではなく、アジア圏でも進んでいます。皆さんがご存知のタイを筆頭に、昨年はラオスやマレーシアで大麻の規制緩和を検討する動きが見られました。日本もCBDを治験に活用するといったニュースがあったことから、CBDに限ってはアジア圏では比較的に規制が緩和されている国になります。
一般的にアジア圏は大麻・CBDが違法な国々が多いです。例えば、香港やシンガポールなどは規制路線に進んでおり、二極化が進んでいます。
アメリカ、カナダ、ドイツあたりのニュースが多くなるのは多くの方が予測できると思いますが、意外と南米とアジアが盛り上がるのではないかと私たちは考えています。
【参考記事】
週刊大麻ニュース8/27-9/2:マレーシア、大麻への取り組みを年内に発表
週刊大麻ニュース 1/28-2/3:ラオス、CBDを中心とする大麻の規制緩和へ
国内で産業用大麻活用に関する議論が増える
産業用大麻は、環境に優しく、多様な用途があることから、持続可能な素材として注目を集めています。最近ではGX(グリーントランスフォーメーション)の文脈で産業用大麻が語られる場面が多くなっています。
直近のニュースで言うと、2023年2月20日に開催された衆議院予算委員会第五分科会(厚生労働省所管)で自民党のむたい俊介議員が産業用大麻を中心とした質疑や3月16日に行われた産業用大麻に関する勉強会などがあります。
2023年は産業用大麻をテーマにしたイベントや三重県のような自治体との提携なども増えてくると考えられ、産業用大麻が国内産業に与えるインパクトについて、さらなる検討が行われるでしょう。
【参考記事】
週刊大麻ニュース 2/18-2/24:衆議院予算委員会、産業用大麻の活用についての言及あり
週刊大麻ニュース 2/25-3/3:三重県定例議会にて、産業用大麻の質疑が行われる
違法な大麻市場のユーザーが合法市場に流入
2022年は大麻の供給過多により、大麻の破棄や製品の価格低下についてのニュースが多く散見されました。一見、ネガティブなニュースだと思われがちですが、私はこのニュースを見て、「非合法市場のユーザーが増えるのではないか」と考えました。
なぜなら、現在の大麻市場の大きな課題である「商品価格が高い」が解決されるからです。「商品価格が高い」というのにも事業者側の都合があるので、解決という表現がいいか分かりませんが、要するに安く買えるようになったということです。
これは、非合法市場のユーザーの一部が合法市場に流れてくるきっかけになるには十分な現象ではないでしょうか。私はそう考え、2023年は非合法市場から合法市場への流入が増えると予測します。
非合法市場の取り締まり、価格低下、合法市場のユーザーが増えるといったニュースがアメリカ・カナダを中心に増えてくると思っています。
また、アメリカでは税収が高いことで有名な大麻事業ですが、違法市場のユーザーが合法市場に流入することでどのように税制が変更されるのか、そして大麻の市場規模にどのくらい影響があるのか。2023年はこのようなポイントに注目しています。
【参考記事】
週刊大麻ニュース 12/17-12/23:大麻合法化州、供給過多により大麻販売価格が大幅に下落
週刊大麻ニュース 10/8-10/14:カリフォルニア州、違法な大麻市場の撲滅を目指す
広告規制の緩和
2023年は「広告規制の緩和」についてのニュースが増えると考えています。2022年は大手プラットフォームであるGoogleやTwitter、MLBとCBD企業がスポンサー契約を締結、NY市内にある看板で大麻関連の広告が掲載されるなど、アメリカ全体で大麻に関する広告規制が緩和されている動きがありました。
この流れは2023年も加速すると思います。私たちに最も影響するプラットフォームといえばTikTok、facebook(Instagram)あたりでしょうか。TikTokは中国の企業なのでまだ厳しいかもしれませんが、facebookはもしかしたら規制緩和の動きを見せるかもしれません。
まずはアメリカの地域限定の規制緩和になるはずですが、将来的にはいずれも日本のCBD市場や規制の改変などに大きく影響を与えるかもしれません。
SNSプラットフォームだけではなく、大麻に対する広告のスタンスが徐々に変化していることが感じられるニュースが増えるのではないでしょうか。
【参考記事】
週刊大麻ニュース 12/17-12/23:Google、一部の地域でヘンプやCBD製品の広告を許可
週刊大麻ニュース 2/11-2/17:米ツイッター、大麻・THC製品の広告規制を緩和
週刊大麻ニュース 6/4-6/10:NBAの試合に大麻企業の広告動画が流れた
週刊大麻ニュース 7/16-7/22:ラジオ・テレビで大麻の広告を放送する法案が可決
国内のCBD市場はどのようになるのか?

最後に、CBD業界のアドベントカレンダーということで、国内のCBD業界に関する考えもまとめてみます。
ここまで、国内のCBDに対する予測はしてきませんでした。
その理由として、CBD市場がゲームチェンジするような出来事は起こらないのかなと思ったからです。
具体的に、私の考える業界のゲームチェンジが起きる出来事は「大企業の参入」「規制緩和・改変」です。私の考えとしては2023年はまだそのような動きはないのではないかと思っています。もしあるとしたら「海外の企業」が日本進出ぐらいでしょうか。
なんにせよ、私の感覚的には「ゲームチェンジするほどの大きな出来事」は少ないのかなと思います。
(もちろん、大きな出来事を作れるような活動はしたい!)
昨年は、「エピディオレックス」の国内治験が開始、「UHA味覚糖」製造のCBDグミが8/18より先行予約開始、ABEMA Primeで大麻規制・CBDに関する議論が放送、渋谷、CBDジャーニーvol.4、CanaCon2022が開催などCBD市場に大きな影響を与えたニュースが数多くありました。
2023年もこのようにCBD業界が進展するニュースは数多く出てくると思います。
そのため、大荒れするわけではなく、2023年も着実に市場成長していくと予測しており、決して悲観的なものではないと考えています!
CANNABIS INSIGHTも大麻・CBDの情報量を増やしていけるようなメディアにしていけたらなと思っています。
【昨年は大麻・CBDニュース総選挙を実施しました】
と、ここまで2023年の予測をしてきました。
世界の大麻ニュースってかなりマニアックなテーマでピンとこない方も多いかと思います。(実際に直接的に事業につながることも少ないので)
ただ、大麻・CBDに関するニュースを見ていると、「海外旅行の際に、大麻の雑学知ってると旅がほんのちょっと面白くなる」、「昔からイメージが悪かった大麻の社会への浸透具合を知れる」「市場が日々成長している」と、世界の大麻業界の現状を知ると面白いことも多少あります。
2023年は日本の大麻市場(CBDや産業用など)がどのように変化するかわかりませんが、時代の変化を皆んなで楽しめたらいいなと思います!
今回はこのような貴重なご機会を提供してくださった、ロジャーさん、まさきくん、CBD部の皆様、ありがとうございました。
CBDアドベントカレンダーは2023年4月20日まで続き、毎日CBD業界の有名な方々が記事やコンテンツを配信される予定なので、他の方の作品も見てみてください!
【CANNABIS INSIGHT 公式サイト】