ブラジル国営機関、大麻栽培の研究計画を発表

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ブラジル政府の農業研究機関「エンブラパ(EMBRAPA)」が、ブラジル国内で大麻栽培を可能にする12年間の長期的な研究に着手する方針を示した。ロイター通信の報道によると、同機関の責任者であるセルソ・モレッティ氏はインタビューの中で、医療や産業利用の拡大が見込まれる大麻分野において、将来的な法改正などに備えた知見を蓄えることが重要だと述べている。

ブラジルでは現行法上、嗜好用の大麻は基本的に違法だが、CBD(カンナビジオール)を含む医療用製品の利用が徐々に広がりを見せている。エンブラパは長年、熱帯農業研究を中心に世界的な評価を得ており、今回の大麻研究計画についても、企業や外部研究機関と連携して進める予定だという。研究の目的は、ヘンプ(産業用大麻)や医療用大麻栽培に関する栽培技術や品質管理のノウハウを蓄積し、将来的な合法化のシナリオに対応できる下地を築くことにあるとみられている。

ビッテンコート氏によると、すでに国内外の企業約10社が大麻研究の提携についてエンブラパに接触しているという。 これらの企業は、医薬品から食品まで、また輪作を促進する形質や土壌の炭素固定に興味を示している。

近年、中南米では医療用途を中心に大麻への規制を緩和する国が増えている。ブラジルでも合法化を求める声が一定数あるものの、政治的・社会的な反発は依然として根強い。しかし、国営機関のエンブラパが正式に研究に乗り出すことで、国内における大麻に対する理解や関心が高まる可能性がある。今後の研究成果が具体的な法改正や産業育成につながるか、国内外から注目が集まっている。

参考記事:Brazil agriculture agency plans long-term research into cannabis cultivation | Reuters

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※本記事は、日本国内ならびに国外での違法行為を助長する意図はありません。
この記事の内容は、あくまで読者の皆様のリサーチや学習の一環として提供しています。
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編集者

CANNABIS INSIGHT代表/編集長
世界の大麻・CBDのビジネスや経済情報を調べています。

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