みなさん、こんにちは。
CANNABIS INISIGHT(カンナビスインサイト)のたかおみです。
今回は大麻上場企業の「Botanix Pharmaceuticals(ボタニックス・ファーマセーティカルス)」について解説していきたいと思います。
Botanix Pharmaceuticalsは、皮膚科領域に特化したグローバルヘルスケア企業です。合成CBDを活用した技術を持っています。主力製品のSofdra™外用ゲルが米国で承認され、ニキビなどの治療薬開発も進めており、多剤耐性菌に対する抗菌薬開発にも取り組んでおり、皮膚疾患と感染症分野での治療法提供を目指しています。
【目次】
Botanix Pharmaceuticals の会社概要

▶︎ 会社HP
ボタニクス・ファーマシューティカルズは、皮膚科領域に特化したグローバルヘルスケア企業です。主力製品のSofdra™(ソフィピロニウム)外用ゲルが米国で承認され、日本では科研製薬が販売しています。世界トップクラスの専門家チーム、十分な資金力、合成CBDを活用した革新的技術が強みです。

画像引用元:Sofdra
2024年度は研究開発投資により純損失が拡大しましたが、今後2年間で高い収益成長が見込まれています。皮膚疾患と感染症分野での革新的な治療法開発に注力し、更なる成長を目指しています。
経営者
Dr. Howie McKibbon(ハウイ・マッキボン)氏は、20年以上の製薬業界経験を持つBotanix PharmaceuticalsのCEOです。Anacor Pharmaceuticals、Dermavant Science、Medicis Pharmaceuticalsなど、大手製薬企業で要職を歴任。
15製品の発売と30以上の皮膚科製品の管理に携わり、78億ドル規模の皮膚科企業買収にも貢献しました。
学歴は多岐にわたり、歴史学学士号、経営学修士号、薬学博士号を取得。豊富な経験と専門知識を活かし、Botanix Pharmaceuticalsの経営を担っています。皮膚科領域に特に強みを持ち、同社の成長戦略を牽引する適任者といえるでしょう。
Botanix Pharmaceuticals の強み
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優秀なリーダーシップと専門知識
Botanix Pharmaceuticalsは、皮膚科や臨床研究においてトップクラスの専門家を揃えています。取締役会長のVince Ippolito氏は20年以上の経験を持ち、多くのブランドを立ち上げています。創業者のMatt Callahan氏は複数の企業で成功を収め、CEOのDr. Howie McKibbon氏も多くの製品を市場に導入してきました。これらの経験豊富な人材が、同社の強みを支えています。 -
先進的な技術と開発力
合成カンナビジオール(CBD)の研究を基に、Sofdra™外用ゲルなどの製品を開発し、FDA承認も取得しています。ニキビや酒さ、アトピー性皮膚炎の治療薬も開発中で、抗菌薬BTX 1801の開発も進行中です。これにより、同社は先進的な技術を持つ企業として注目されています。
事業内容
Botanix Pharmaceuticalsは、皮膚科領域と抗菌薬領域の2つの主要セクターで事業を展開しています。
皮膚科領域
Botanix Pharmaceuticalsは、十分な治療法が確立されていない一般的な皮膚疾患をターゲットに、治療薬の開発を行っています。ニキビ、酒さ、アトピー性皮膚炎などの疾患に対して効果的な治療薬を提供することを目指しています。主力製品としては、米国での販売が期待されるFDA承認の外用ゲル「Sofdra™(ソフィピロニウム)12.45%」があります。また、重症ニキビ治療薬「BTX 1503」、酒さ治療薬「BTX 1702」、アトピー性皮膚炎治療薬「BTX 1204A」など、有望な開発パイプラインを有しており、これらは市場において注目されています。合成カンナビジオール(CBD)の抗炎症および抗菌作用を活用した独自の技術と研究開発力にあります。
抗菌薬領域
Botanix Pharmaceuticalsは、多剤耐性菌を含む細菌感染症に対する治療薬開発にも取り組んでいます。合成カンナビジオールがMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に対して迅速な殺菌効果を示すことを発見し、血液透析患者向けの抗菌薬「BTX 1801」の開発を進めています。抗生物質耐性菌対策は世界的な課題であり、Botanix Pharmaceuticalsは合成カンナビノイドを活用した新たな治療薬プラットフォームの開発を目指し、人や動物の健康に貢献することを目指しています。
決算書を読んでみる
【Botanix Pharmaceuticals 2023 決算報告】
最後にBotanix Pharmaceuticals の決算情報をまとめてみます。Yahooファイナンスの情報をまとめてみました。また今回の情報は2024年(執筆時:2024/10/09)のデータを参照しています。
2024年のボタニクス・ファーマシューティカルズの経営成績は以下の通りです。
出典: Botanix Pharmaceuticals Full Year 2024 Earnings: EPS Beats Expectations, Revenues Lag
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純損失は1,390万豪ドル で、2023年度から52%拡大しました。
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1株当たり損失は0.009豪ドル で、2023年度の0.008豪ドルからさらに悪化しました。
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収益はアナリスト予想を25%下回りました。
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1株当たり利益(EPS)はアナリスト予想を8.0%上回りました。
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今後2年間の収益は平均108%の成長が見込まれています。 これに対し、オーストラリアの医薬品業界の成長率は42%と予測されています。
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6月21日、ボタニクスは7,000万豪ドルの資金調達を確保しました。
情報源に記載されているボタニクス・ファーマシューティカルズの2024年の経営成績は以上です。
株価
まとめ
Botanix Pharmaceuticalsは、皮膚科と抗菌薬領域で事業展開する企業です。2024年度は研究開発投資により純損失が拡大しましたが、今後2年間で高い収益成長が見込まれています。合成CBDを活用した独自技術と、経験豊富な経営陣による強いリーダーシップが強みです。皮膚疾患や多剤耐性菌感染症に対する新たな治療法の開発を通じ、グローバルヘルスケア市場での成長を目指しています。
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