アメリカの一部州で娯楽用大麻が合法化された後、オピオイド過剰摂取による死亡者数が減少したとの研究結果が発表されました。米国ではオピオイド依存が深刻な社会問題となっています。
「オピオイドによる死亡率に及ぼす、マリファナ合法化の影響の方向性と大きさについては合意された結論はない」とされており、それを更に深める研究です。
オピオイドとは:
オピオイド受容体に作用し鎮痛や多幸感を引き起こす物質であり、けし等に由来するモルヒネ、コデイン等のあへんアルカロイド、フェンタニル等の総称。
参考 – 法務省
この研究によると、大麻の合法化は人口10万人あたり約3.5人の死亡者数減少と関連し、特に早期に合法化を実施した州で効果が顕著だったといいます。また、合法化後3年程度で効果が明確になり、その後も5年にわたり死亡者数の減少傾向が続いたとされています。
さらに、過去の研究でも医療用大麻が慢性痛患者のオピオイド依存を減少させ、処方箋や過剰摂取死を抑制する可能性が示唆されており、本研究結果はこれを裏付ける形となっています。一方で娯楽目的のマリファナ合法化にはまだ11年のデータしか存在せず、長期的な影響についてはまだ不透明だと述べられています。また、この論文は査読を受けておらず、信ぴょう性のチェックはこれから行われます。
研究者らは大麻がオピオイドに代わる鎮痛手段となる可能性を指摘。副作用が比較的少なく、痛みを緩和する効果が期待されることから、慢性痛患者を中心に利用が広がっていると報告されています。
情報元:
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Denkyirah, Elisha and March, Raymond and Furton, Glenn and Rayamajhee, Veeshan and Yonk, Ryan, Because I Got High? Recreational Marijuana Legalization’s Impact on Opioid Overdose Deaths (June 08, 2023). Available at SSRN: http://dx.doi.org/10.2139/ssrn.5056296
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